ジスロマックとは主に細菌による感染症に効果を発揮するお薬です。マイコプラズマなどの空気感染症からクラミジアといった性病にまで使われる万能薬ともいえる存在。どういったメカニズムなのでしょうか?

オーラルセックスで性病感染、ジスロマックの治療期間

性感染症はさまざまな病原性微生物によって引き起こされるものであり、原因となるものにぴったりと合った医薬品の処方が必要となります。
たとえば、同じ病原性微生物といっても、細菌にはほとんどの場合に細胞壁があり、細胞壁に守られた細胞のなかでDNAを複製して増殖しますが、ウイルスには自前で増殖するしくみがないため、人間などの細胞に寄生してDNAを送り込み、乗っ取った細胞にDNAを複製させて増殖するという違いがあります。そのため、増殖するしくみや構造が異なるウイルスと細菌では、抗生物質と抗ウイルス薬を使い分けなければならないことになります。
また、細菌についても、しばしば複合感染しやすい淋菌とクラミジアについては、細胞壁を構成するタンパク質の構造が異なるなどの理由で、それぞれに系統の異なる抗生物質を投与しないと効き目がなかったりもします。淋菌とクラミジアは、オーラルセックスによって咽頭にも感染しますので、性器周辺での発症を前提とした軟膏タイプの抗生物質は、オーラルセックスによる感染症には用いにくいということもあります。
抗生物質のなかでもジスロマックとよばれる製品は、こうした不合理を解消するもので、特に内服タイプの成人用のドライシロップ剤であれば、淋菌とクラミジアの両方に対して効果を発揮します。病原性微生物の増殖を抑えこむには、抗生物質の体内での濃度を一定以上に保つ必要があり、従来の製品では連続投与により治療期間も長期化するのが常でしたが、ジスロマックであれば7日間程度の治療期間で制圧可能であり、治療期間もかなりの短縮につながっています。
なお、ジスロマックは国内では医師の処方箋が必要な医薬品となっているため、一般には性病科、婦人科、泌尿器科、オーラルセックスが原因の場合は耳鼻咽喉科などにかかる必要があります。